面白い食育教材とはなんだろう?
教材であって、ゲームにも似た仕掛けやルールなどの条件を備えている?
世界中で親しまれ、2600万本もの大ベストセラーになった「あつ森」こと『あつまれ どうぶつの森』(任天堂)はゲームであって教材ではない?
こんなことを考えながら40年がたった。

『実物大・そのまんま料理カード きほんの食事編』は、少部数ではあるが重版を重ね、途中の合本・改題も含め、27年目を迎えた。群羊社のロングセラーの一つである。
そのまんま料理カード[増補改訂版]きほんの食事編
この教材の魅力は、実物大の料理の形に繰り抜いた「そのまんまのカード」が特徴だが、特に使い方が決まっているわけではない。
それでも全国的に活用されているのは、バランスのとれた食事が分かりやすく学べるからだろう。

その理由は、主食・主菜・副菜による「料理選択型栄養・食教育」理論がベースにあるためだ。
決まったルールではなく、いろいろな活用法ができる多様性も魅力の一つ。
ルールが一つあるとすれば、主食・主菜・副菜料理のカードを組み合わせることで、バランスのとれた食事法が学べることだ。

昨日食べたものを並べてみて、過不足の評価もできる。実物大だからごはんやパンなど主食のカードで量を覚えれば外食などで目ばかりができるようにもなる。
カード裏には、主な栄養成分やレシピまであってサービス満点である。

使い方が非常に簡単なことに加え、この教材シリーズにセットされている「ランチョンマット」(写真)を使って、いろいろな料理カードを組み合わせてみると、食事法がもっと簡単に理解できる。
このシンプルなルールにささえられた教育効果こそ、人気の理由の一つだろう。
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「料理選択型栄養・食教育」理論は、この教材の編著者でもある足立己幸先生を中心に、「3・1・2弁当箱法」とともに研究・理論・実践活動を繰り広げられ、「なにをどれだけ食べればよいか」という実践栄養学の課題に風穴を開けた食事法である。

論文の英文タイトルを読むと、この食事法の役割がさらによくわかる。
Diet-based Nutrition Education/Promotion with ‘Combination of Shushoku, Shusai and Fukusai Method’ and ‘3・1・2 Lunch Box Magic Method’
足立己幸(2017). 栄養・食教育の枠組み「料理選択型栄養・食教育」、主教材「食事の核料理(主食・主菜・副菜)を組み合わせる」・「3・1・2 弁当箱法」による食事法 名古屋学芸大学健康・栄養研究所年報, 9, 49-83.
参考:NPO法人食生態学実践フォーラム ホームページ:https://www.shokuseitaigaku.com/
©GUN-YOSHA 2021(文責M)